介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームとは、都道府県の指定(認可)を受けた有料老人ホームで、介護保険制度上では「特定施設(特定施設入居者生活介護)」というサービスに分類されます。
24時間介護スタッフが常駐し、掃除や洗濯など身の回りの世話や、食事や入浴、排せつなどの介助サービスが受けられます。
主に民間企業が運営しています。
介護付き有料老人ホームの特徴
下記の3点が主な特徴です。
・自治体の指定(認可)を受けて運営される
・施設によりサービスと入居費用の設定がさまざま
・終の棲家となりうる
「介護付き有料老人ホーム」として運営するには、人員・設備・運営に関する基準をクリアし、都道府県(または市町村)から指定(認可)を受けることが必須条件となります。
指定を受けると、介護保険制度上の「特定施設入居者生活介護」というサービスに位置付けられます。
設置主体は民間企業が主で、基準を満たしていればどんな体制でも可能なため、人員体制やサービス内容、居室や設備のグレード、立地などでホームによって料金が異なります。
入居金は0円から数億円のところまで、月額費用は15万円程度から50万円近くかかるところがあり、建物の造りやサービス内容は千差万別です。
費用が高額なところは、スタッフの人員体制が手厚く、共用設備として温泉やプール、アスレチックジムなどがついていたり、診療所が併設され医師が常駐しているなど、充実したサービスを提供して差別化を図っています。
基本的には要介護5という最も重い身体状況になってもサービスが受けられるため、終の棲家として有力な候補となり得ます。
入居条件
入居要件は「入居時自立(介護認定なし)」や「自立~要介護5まで」、「要支援以上」、「要介護1~5のみ」など、ホームによってさまざまです。
住宅型有料老人ホームとの違い
住宅型有料老人ホームとの違いは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているかどうかになり、介護サービスの提供体制が異なります。
介護付き有料老人ホームは、入居すれば常駐しているスタッフから24時間介護サービスが提供されますが、住宅型有料老人ホームでは、入居したうえでさらに、在宅サービス事業者と契約をし、そこから介護サービスを受けることになります。
介護サービス部分の費用も異なり、介護付き有料老人ホームは介護度による定額制で、住宅型有料老人ホームは利用した分のみの支払いとなります。
介護付き有料老人ホームのメリット
・24時間体制で介護が受けられる
・少なくとも日中は看護師が常駐
・料金は介護度による定額制なので、費用の大きな変動がない
・介護サービスを多く利用しても、介護度に変更がなければ費用は変わらない
介護付き有料老人ホームのデメリット
・介護サービスをあまり利用しなくても、介護度による定額の介護費用は発生する
・希望があっても、デイサービスや訪問リハビリなどの在宅サービスは利用できない
住宅型有料老人ホームのメリット
・自分の状態に合わせて、デイサービスに通うなど介護サービスを組み合わせて利用することができる
・介護サービスをあまり利用しない場合は、その分費用を抑えることができる
住宅型有料老人ホームのデメリット
・ホームに常駐するスタッフが少ない場合がある
・介護度が重くなりサービスを増やすと、費用も高くなる
・介護サービスの利用頻度によって月々の費用が一定しない
・各サービス提供事業者との契約などの煩わしさがある
介護付き有料老人ホームの種類
<介護専用型>
介護度が重度の方を迎え入れることが可能になるよう作られた施設です。入居対象者を要介護度1以上に限定し、自立している方は入居ができないようになっています。
<混合型>
要介護認定のない方でも入居できる介護付有料老人ホームです。夫婦で入居する場合、どちらかが要介護状態で、どちらかが自立している場合、介護専用型には入居できませんが、混合型であれば同時入居が可能というメリットがあります。
介護付き有料老人ホームの職員の配置
介護付き有料老人ホームでの職員の配置には、入居者の数及び提供するサービス内容に応じ、 その呼称にかかわらず、次の職員を配置することが定められています。
また、職員は入居者の実態に即し、夜間の介護、緊急時に対応できる数を配置することとされています。
施設長などの管理者
施設経営の責任者として、運営を担います。
高齢者の介護について知識、経験を有する者を配置することが条件となっています。
生活相談員
入居者や家族から生活上の相談を受けたり、行政的な手続きを行います。
常勤で1人以上の配置が義務付けられています。
栄養士(管理栄養士)
入居者の健康を維持する献立を考えたり、食材の選定や管理を行います。
調理員
献立表に基づき、食事の調理を行います。
介護職員及び看護職員などの介護従事者
入居者の身体介護及び看護を行います。
要介護者3人に対して1人以上の配置が義務付けられています。(要支援者に対しては10人に対して1人以上)
機能訓練指導員
理学療法士、作業療法士、言語療法士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師の資格を有する者が機能訓練指導員となり、個々の状態に合ったリハビリテーションを行います。
各施設1人以上の配置が義務付けられています。