文責 給与計算チーム リーダー片桐
最低賃金の対象となる賃金
会社設立特化型名古屋ひまわり事務所の給与計算チームリーダーの片桐です。
政府は2021年6月9日、令和3年第8回経済財政諮問会議において経済財政運営と改革の基本方針の原案を公表しました。
その中で最低賃金については、全国平均1000円にすることを目指し、本年の引上げに取り組むこととなっています。
(2021年6月現在全国平均902円)
今回のブログは、最低賃金の対象となる賃金について注意すべき点をお話しします。
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金以上の賃金を支払わなければならないとする制度です。
最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合にはその差額を支払わなければなりません。
また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には最低賃金法に50万円以下の罰金が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に30万円以下の罰金が定められています。
さて、月給の場合、あまり最低賃金に意識は向けられない傾向がありますが、月給こそ「最低賃金」に注意を払う必要があります。
月給には「基本給」の他さまざまな手当がついている会社が多いと思います。
この総額から月の所定労働時間を基に時間当たりの金額に換算すれば単純に「時給額」をはじき出すことはできますが、「時給額」=「最低賃金」ではありません。
具体的には毎月支払われる基本的な賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
最低賃金の計算から除かれる賃金
◆ 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
◆ 1ヶ月を超える期間ごとにに支払われる賃金(賞与など)
◆ 残業代、休日出勤割増賃金、深夜勤務割増賃金
◆ 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
個人的事情により差異を生じる通勤手当や家族手当の様なもの、褒賞的な性格が強く支給不支給が不確実な精皆勤手当のようなものは除かれることになります。
精皆勤手当に似た性質でトラック運転手などに支給される「無事故手当」や「洗車(愛車)手当」(基本的に支給される前提のもの)はどうでしょう?
この場合は、その手当が該当月に発生しなかったとしても最低賃金を下回らないような金額に設定することで最低賃金法に抵触することを避けることができます。
次回からも給与計算についての基礎知識を、この場を借りて発信してまいりますので、宜しければご参考にしてください。
また、煩雑な給与計算の代行も承っておりますので、御社の給与計算は、ぜひ私にお任せください。
会社設立特化 名古屋ひまわり事務所
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