文責 労務管理チーム 服部
“又は” ってどうやって使うの?法律用語をわかりやすく
ひまわり事務所、労務チームの服部です。
異業種から転職して丸5年が経ちました。
入社して最初に戸惑ったのは、○○法、○○法、などのような労働関係や社会保険関係の条文を、常に読み解いていかなければならないとういことです。
特にわかりにくかったのは「又は」「若しくは」「及びに」「並びに」という接続詞の使い方です。
どれも同じような意味に思えますよね。
でも法律用語として使い方はそれぞれ違うのです。
今回は、「又は」についてご説明いたします。
「又は」は、どちらか「1つ」を選ぶという意味の文章に使います。
海外旅行で飛行機に乗って機内食を選ぶ時「Chicken or Beef?」と聞かれますよね。
「チキン又はビーフ」→「チキンかビーフかどちらかを一つ」と読み替えると、よくわかります。
次に、並べるものが3つ以上になるとどうでしょう。
その場合「、」で並べ、最後に「又は」でつなげます。
「チキン、ビーフ又はフィッシュ」ということになり、
チキンかビーフかフィッシュのうちどれか1つ選ぶ、という意味になります。
では、実際の法律の条文ではどうなるでしょう。
労働基準法3条(均等待遇)
「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」
を見てみましょう。
「社会的身分」の前に「又は」があり、さらにその前に「労働者の国籍、信条」という語句があります。
先ほどのチキンの例に当てはめると、
「国籍」「信条」「社会的身分」のいずれか一つでも、それを理由に労働条件について差別的取り扱いをしてはいけません、という意味になります。
もっと読みやすいように言葉を分けてみましょう。
国籍を理由として、信条を理由として、社会的身分を理由としてそれぞれ労働条件の差別的取り扱いをしてはいけません。
どうでしょう。このほうが分かりやすいですよね。
ちなみに、この労働条件ですが、「採用」に関しては除かれています。
つまり、「国籍」「信条」「社会的身分」を理由として採用しないというのは労働基準法の違反にならない、ということになります。
なんだか差別的取り扱いになりそうな気がしますが、採用前なのでまだ労働契約が成立していない、労働者ではない、という理由でしょうね。
法律の条文をそのままお客様にお伝えするのは簡単ですが、それでは意味が分かりにくいことがあります。
わたくしたちの仕事は、条文をできるだけかみくだき、平易な表現に直して、わかりやすくお伝えすることだと思っております。
今後ともよろしくお願い致します。
会社設立特化 名古屋ひまわり事務所
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