代休と振替休日 給与計算の仕方
休日労働や長時間の時間外労働、深夜労働を行った場合に、その代わりとして指定された特定の労働日を代休日といいます。
そして、代休日の労働義務を免除する制度を「代休」といいます。
簡単に言えば、代休日は働かなくていい労働日ということです。
代休の場合は、労働日に働いた分の割増賃金を支払う必要があります。
代休と似たものに「休日の振替(振替休日)」という制度があります。
休日の振替とは、あらかじめ休日と定められた日を労働日とし、その代わりに他の労働日を休日とすることです。
これにより、予め休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。
従って、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。
代休と振替休日の違いは、代休は後で手続きするのに対し、振替休日は先に手続きするという点です。
また、割増賃金の支払の必要があるかどうかという点でも違いがあります。
代休と振替休日の違い
代休と振替休日の違いを表にしました。
区分 | 代休 | 振替休日 |
意味 | 休日に労働させ、事後に代わりに休日を与えること。 休日労働の事実は変わらず、帳消しにはならない。 |
あらかじめ定めてある休日を、事前にと続きして労働日と交換すること。 休日労働にはならない。 |
要件 | 特になし。 ただし、制度として行う場合、就業規則などに、代休を付与する条件、賃金と取扱いといった具体的な記載が必要になる。 |
|
賃金 | 休日労働の事実は消えないので、休日労働に対する割増賃金の支払いが必要。 代休日を有給とするか無給とするかは、就業規則などの規定による。 |
同一週内で振り替えた場合、通常の賃金の支払いで良い。 週をまたがって振り替えた結果、週法定労働時間を超えた場合は、時間外労働に対する割増賃金の支払いが必要となる。 |
代休と振替休日の事例
もう少し分かりやすくするために、代休と振替休日の違いを具体的な事例でご説明します。
【条件】
- A社の1日の所定労働時間は8時間で、1日の日給換算値額は1万円です。所定休日は土曜日で、法定休日は日曜日です。
- A社の割増賃金率は、法定の下限、つまり、時間外労働に対しては2割5分、法定休日労働に対しては3割5分です。
事例1:2週目の日曜日に出勤し、あらかじめその週の水曜日を振替休日とした場合
1週目 | 2週目 | |||||||||||||
曜日 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
所定労働時間 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | ||||
所定外労働時間 | 8 | 振休 |
2週目に日曜日に出勤していますが、その週の水曜日に振替休日を取っています。
したがって、2週目の総労働時間も週の法定労働時間の40時間以内に収まっているため、割増賃金の支払の必要はありません。
事例2:1週目の土曜日に出勤し、あらかじめ翌週の水曜日を振替休日とした場合
1週目 | 2週目 | |||||||||||||
曜日 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
所定労働時間 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | ||||
所定外労働時間 | 8 | 振休 |
1週目の土曜日に出勤しています。この段階で、1週48時間となり、40時間を超えています。
したがって、1週目の土曜日の出勤に対しては、割増賃金の支払いが必要になります。
つまり、1週目の土曜日の賃金は1.25分の支払となります。
そして、翌週の水曜日に振替休日を取っています。
したがって、労働日数はマイナス1となりますが、1週目の土曜日の割増賃金は結果的に0.25分の支払が必要となります。
振替休日は、同一週内に取得されないと、割増賃金の支払が発生することになります。
事例3:2週目の日曜日に出勤し、その週の水曜日を代休とした場合
1週目 | 2週目 | |||||||||||||
曜日 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
所定労働時間 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | ||||
所定外労働時間 | 8 | 代休 |
2週目の日曜日に出勤しています。
この段階で、法定休日出勤となります。
したがって、2週目の日曜日の賃金は、1.35分の支払となります。
そして、その週の水曜日に代休を取っています。
したがって、労働日数はマイナス1となりますが、割増賃金0.35分の支払が必要となります。
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