産業廃棄物収集運搬業許可 取得要件
産業廃棄物収集運搬業許可を取得するためには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
産業廃棄物収集運搬業許可 取得要件
(1) 欠格事由に該当しないこと
(2) 講習会を受講していること
(3) 運搬施設等があること
(4) 経理的基礎があること
(5) 適法かつ適切な事業計画があること
以下、各々についてご説明します
産業廃棄物収集運搬業許可 取得要件
(1) 欠格事由に該当しないこと
産業廃棄物収集運搬業の許可は、下記の事由に該当すると、産業廃棄物収集運搬業の許可は取得できません。
産業廃棄物収集運搬業 許可 欠格事由
- 成年後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 一定の法律違反等により罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
- 廃棄物処理法、または、浄化槽法の規定により許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
- 廃棄物処理法、または、浄化槽法の規定による許可の取消しの処分の通知を受けてから廃業の届出をした者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
- その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
- 暴力団員である者または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記の1~7のいずれかに該当するもの
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
産業廃棄物収集運搬業許可 取得要件
(2) 講習会を受講していること
産廃収集運搬業許可を受けるためには、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの講習会を受講する必要があります。
産廃収集運搬業許可の講習会の目的は、産業廃棄物の適正な処理を行うために必要な知識と技能を修得することです。
下記の内容の講義を受講します。
産業廃棄物収集運搬業 新規講習会内容
① 行政概論
② 環境概論
③ 業務管理
④ 安全衛生管理
⑤ 収集・運搬
産業廃棄物収集運搬業許可 取得要件
(3) 運搬施設等があること
産業廃棄物収集運搬業の許可の四つ目の許可要件として、産業廃棄物の運搬施設があることです。
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するための運搬施設には、下記の3つの基準があります。
産業廃棄物 運搬施設等の基準
ⅰ 産業廃棄物を収集運搬する場合の運搬施設の基準
ⅱ 産業廃棄物の収集運搬に用いる車両に基準
ⅲ 産業廃棄物の収集運搬に用いられる容器の基準
産業廃棄物 運搬施設等の基準
ⅰ 産業産業廃棄物を収集運搬する場合の運搬施設の基準
産廃収集運搬業許可を受けるために必要な運搬施設の基準は、廃棄物処理法施行規則第10条に定められています。
廃棄物処理法施行規則第10条1号イ
産業廃棄物が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること。
簡単に言うと、産業廃棄物を収集運搬する際には、飛散、流出したり悪臭が漏れたりすることがない方法を用いる必要があるということです。
産業廃棄物 運搬施設等の基準
ⅱ 収集運搬に用いる車両に基準
産業廃棄物を収集運搬する場合には、収集運搬する産業廃棄物の性質や形状に応じて、最も適した車両を用いる必要があります。
がれき類等の大きな固形状のものの場合には、ダンプとトラックが、汚泥や液状のものの場合には、タンクローリーや汚泥吸引車等が用いられます。
収集運搬する産業廃棄物の種類によっては、軽トラックでも許可を受けることは可能です。
産廃収集運搬業許可を取得するためには、これらの車両が最低1台は必要になります。
また、車両の他に駐車場も必要になります。
産業廃棄物 運搬施設等の基準
ⅲ 収集運搬に用いられる容器の基準
産業廃棄物の性質・形状によっては、運搬する際に、運搬容器を使用しなければいけないことも多くあります。
収集運搬に容器として多く使用されるのが、ドラム缶です。
ドラム缶は、割と万能に様々な種類の産業廃棄物を保管することができます。
廃アルカリ等の腐食性のある液体等の収集運搬には、ドラム缶は向かないため、プラスチック容器が多く使われます。
その他にも、石油缶やフレキシブル・コンテナ等が収集運搬の容器として用いられます。
産業廃棄物収集運搬業許可 取得要件
(4) 経理的基礎があること
産廃収集運搬業許可を受けるためには、申請者が産業廃棄物の収集運搬を「的確に、かつ、継続して行うに足りる」経理的基礎を有していることが必要です。
経理的基礎が必要ということは、申請者の財産面の審査がされるということになります。
審査の判断基準は、行政庁によって異なりますが、財政状況よっては別途追加書類が求められることがあります。
また、申請者が法人の場合と個人の場合とでは、経理的基礎の審査基準が異なります。
申請者に経理的基礎があること
申請者が法人の場合
申請者が法人の場合に審査されるのは以下の項目です。
法人の場合の経理的基礎 審査項目
・直前期の決算期における自己資本比率
・直前3期の経常利益の平均額
・直前期の経常利益
※ 自己資本比率とは、総資本(負債+純資産)に占める自己資産(純資産)の割合のことです。
自己資本比率が高い方が、財政面が安定していると言えます。
※ 経常利益は、経常的な活動の中で出た利益です。
経常利益がマイナスだと赤字になります。
申請者に経理的基礎があること
申請者が個人の場合
申請者が個人の場合に審査されるのは以下の項目です。
個人の場合の経理的基礎 審査項目
・資産の額と負債の額
・直前期の納税状況
産業廃棄物収集運搬業許可 取得要件
(5) 適法かつ適切な事業計画があること
産廃収集運搬業許可を受けるための事業計画は、事業計画の内容が計画的に実施され、業務量に応じた施設や人員を確保している等の業務遂行体制が整っていることを示すことが必要です。
具体的には、以下のような内容について、事業計画の概要を記載します。
事業計画内容
- 廃棄物の種類
- 廃棄物の運搬量
- 廃棄物の性状
- 予定排出事業場の名称、所在地
- 予定運搬先の名称、所在地
- 廃棄物の運搬施設(車両、容器)
- 従業員数の内訳
- 収集運搬業務の具体的な計画