給与計算のための最低賃金制度
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。
したがって、最低賃金未満の賃金しか支払わなかった場合には、最低賃金額との差額を支払わなくてはなりません。
また、地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
最低賃金の種類
最低賃金には、下記の種類があります。
最低賃金の種類
(1) 地域別最低賃金
(2) 特定(産業別)最低賃金
以下にご説明します。
(1) 地域別最低賃金
地域別最低賃金とは、産業や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です。
各都道府県に1つずつ、全部で47件の最低賃金が定められています。
令和3年度の地域別最低賃金額は、こちらからどうぞ(厚生労働省HP)
(2) 特定(産業別)最低賃金
特定(産業別)最低賃金は、特定の産業について設定されている最低賃金です。
関係労使が基幹的労働者を対象として、「地域別最低賃金」よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認める産業について設定されており、全国で228件の最低賃金が定められています(令和2年9月1日現在)。
令和2年度の特定最低賃金の審議・決定状況は、こちらからどうぞ
最低賃金の対象になる賃金
最低賃金の対象となる賃金は、毎月支払われる基本的な賃金です。
残業代やボーナスは対象外です。
具体的には、実際に支払われる賃金から次の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。
最低賃金の対象とならない賃金
① 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
② 1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
③ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
④ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
⑤ 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算を超える部分(深夜割増賃金など)
⑥ 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当
基本給+諸手当のうち上記の①から⑥を差し引いたものが最低賃金の対象になります。
最低賃金の適用対象者
最低賃金は、雇用形態に関係なく、全ての労働者に適用されます。
地域別最低賃金の適用対象者
地域別最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態や呼称に関係なく、セーフティネットとして各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に適用されます。
特定(産業別)最低賃金の適用対象者
一方、特定(産業別)最低賃金は、特定の産業の基幹的労働者とその使用者に対して適用されます。
18歳未満又は65歳以上の方、雇入れ後一定期間未満の技能習得中の方、その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する方などには適用されません。
最低賃金の減額特例認定者
一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、次の①~⑤の労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けることを条件として個別に最低賃金の減額の特例が認められています。
最低賃金の減額特例認定者
① 精神または身体の障害により著しく労働能力の低い人
② 試の使用期間中の人
③ 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている人のうち厚生労働省令で定める人
④ 軽易な業務に従事する人
⑤ 断続的労働に従事する人
最低賃金のチェック方法
日給や週給、月給などの場合は、対象賃金額を時間額に換算し、適用される最低賃金と比較します。
時間給の場合
時間給≧最低賃金額(時間額)
日給の場合
日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
ただし、日額が定められている特定(産業別)最低賃金が適用される場合には、
日給≧最低賃金額(日額)
月給の場合
月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)
出来高払制その他の請負制によって定められた賃金の場合
出来高払制その他の請負制によって計算された賃金の総額を、当該賃金算定期間において出来高払制その他の請負制によって労働した総労働時間数で除した金額≧最低賃金(時間額)
上記1〜4の組み合わせの場合
例えば基本給が日給制で各手当(職務手当等)が月給制などの場合は、それぞれ上の2、 3の式により時間額に換算し、それを合計したものと最低賃金額(時間額)と比較します。
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