いまさら聞けない介護サービスのこと
サービス提供責任者
サービス提供責任者は、ケアプランに基づく訪問介護書類の作成やヘルパーの指導や管理といった責任者としての業務を担います。
サービス提供責任者になるには、以下の資格が必要です。
・介護福祉士
・介護福祉士実務者研修
・介護職員基礎研修(旧資格)
・ホームヘルパー1級(旧資格)
なお、サービス提供責任者という資格はありません。
【介護福祉士の取得方法】
介護福祉士は、社会福祉士・精神保健福祉士と合わせて「福祉の三大国家資格」と言われています。
介護業務を一通りおこなえる高い専門知識と技術の証明とも言える資格です。その取得方法は、大きくわけて以下の3種類です。
・介護施設で実務経験を経て取得する
・福祉系高校を卒業する
・介護福祉士養成施設を卒業する
※ 教育機関に通う時間や金銭的な余裕がない場合は、実際に介護現場で働き、実務経験を経て受験する方法が一般的です。
【介護福祉士実務者研修の取得方法】
介護福祉士実務者研修は、介護の基礎的能力を高め提供するために設けられた資格です。
介護福祉士初任者研修の次の段階として位置付けられています。取得には介護福祉士実務者研修をおこなう学校などで450時間のカリキュラムをする必要があります。
基本的に誰でも受けられますが、学校によっては初任者研修を修了していることが受講要件となる場合があるので注意が必要です。
【サービス提供責任者になるための注意点】
居宅介護・重度訪問介護をおこなう事業所の場合は良いのですが、同行援護・行動援護をおこなう事業所の場合、上記の介護福祉士、実務者研修の資格を有しているだけでは、サービス提供責任者になることができません。
「同行援護事業所でサービス提供責任者になるためには」
どの資格を持っていたとしても、必ず同行援護従事者養成研修を受講し、修了する必要があります。
この研修は、一般課程(20時間)と応用課程(12時間)で構成されています。
「行動援護事業所でサービス提供責任者になるためには」
所有資格に関係なく、行動援護従事者養成研修の受講が必要です。
サービス管理責任者
サービス管理責任者になるには、一定の実務経験かつ研修の修了が必要になります。
【ⅰ 実務経験】
下記のいずれかの経験が必要です。
・規定の事業所や施設等で3年以上の相談支援業務
・規定の事業所や施設等で8年以上の直接支援業務
・社会福祉主事任用資格所有者、介護職員初任者研修修了者、保育士、児童指導員任用資格者、精神障害者社会復帰指導員任用資格者は5年以上の直接支援業務
・国家資格等の業務に従事し1年以上
※ サービス管理責任者になるには、まずは実務経験が必要です。実務経験を満たしてからでないと、資格取得に必要な研修が受講できません。
【ⅱ 研修の修了】
サービス管理責任者になるための研修の修了とは、以下の二つの研修を修了していることを言います。
〇 基礎研修
サービス管理責任者の資格を取得するには、まずは基礎研修の受講が必要です。上記の実務経験を満たしている者は、基礎研修のみの受講でも受講後3年間は、サービス管理責任者としてみなされます。(注:令和元年~令和3年までに受講した人)
・相談支援従事者初任者研修講義の一部(11.5h)
・サービス管理責任者等研修(15h)
〇 実践研修
サービス管理責任者基礎研修を受講後の人が受講できる研修です。実践研修を受講しますと正式にサービス管理責任者として勤務が可能となります。
・過去5年間に2年以上の相談支援または直接支援業務の実務経験
・サービス管理責任者等実践研修(14.5h)
また、サービス管理責任者実践研修を受講後、5年に1度、資格の更新研修が必要となります。
〇 更新研修
・過去5年間に2年以上のサービス管理責任者等の実務経験がある、または現在サービス管理責任者として従事している
・サービス管理責任者等更新研修(13h)
※2024年までは6時間程度に短縮可能
共生型サービスとは
障害者サービスと保険サービスの双方が利用可能になるサービス
「共生型サービス」とは、2018年度の介護保険法改正により導入された、新たな介護サービスの事を指します。
共生型サービスが導入されたことにより、介護保険サービス利用の高齢者と障害福祉サービス利用の障害者(児)が、必要な基準を満たした介護保険事業所若しくは障害福祉事業所のいずれか一つの事業所においてサービスが受けられるようになりました。
共生型のメリット
利用者からみたメリット:「65歳の壁」がなくなる
従来障害者総合支援法には、障害者総合支援法のもとで提供されるサービスで自立支援給付に相当するサービスが介護保険で提供される場合、介護保険のサービスを優先的に利用しなくてはならない、という介護保険優先の原則が規定されていました。
そのため、長い期間障害者総合支援法のもとでサービスを利用していたのに関わらず、65歳になると同時に介護保険のサービスへ切り替えなければならないという、「65歳の壁」という問題がありました。
事業所から見たメリット:相乗効果が見込める
介護サービス事業所、障害福祉事業所ともに、それぞれ、運営基準や指定基準を満たしていれば、どちらか一方ではなく、ひとつの事業所で、介護・障害事業所とどちらとしての指定も受けることができます。通所系の事業所であれば、障害児から高齢者が同じフロアで過ごすことができ、利用者の同士の助け合い=互助が生まれやすくなります。
共生型サービスの指定申請を行えるもの
① デイサービス
- 介護保険=通所介護・地域密着型通所介護
人員配置=介護職員が5:1
設置基準=食堂及び機能訓練室は3平方メートルに利用定員を乗じて得た面積 - 障害福祉=生活介護・自立訓練・児童発達支援
人員配置=看護職員、理学療法士又は作業療法士及び生活支援員の総数」が、平均障害支援区分4未満で6:1、平均障害支援区分4以上5未満で5:1、平均障害支援区分5以上で3:1
設置基準=「訓練・作業室」は「支障がない広さ」
② ホームヘルプサービス
- 介護保険=訪問介護
人員配置=管理者:常勤1人、サービス提供責任者:利用者の数40人又はその端数を増すごとに1人以上、訪問介護員:常勤換算で2.5 人以上 - 障害福祉=居宅介護・重度訪問介護
人員配置=管理者:常勤1人 サービス提供責任者:事業規模に応じて1人以上 従業者(ヘルパー):常勤換算で2.5 人以上
③ ショートステイ
- 介護保険=短期入所生活介護
人員配置=医師1以上、生活相談員を利用者100人につき常勤換算で1人以上、介護職員又は看護師若しくは准看護師を利用者3人につき常勤換算で1人以上、栄養士 1人以上、機能訓練指導員1名以上
設置基準=1人当たり10.65㎡以上 - 障害福祉=ショートステイ
人員配置=併設型の場合、本体施設入所者と短期入所利用者の総数に対し、本体施設に定められる人員基準に基づき必要数の従業員を配置。単独型の場合は、生活支援員を6:1配置する必要があります
設置基準=指定障害施設に対し、床面積を収納設備等は除いた9.9平方メートル以上(単独型は8平方メートル以上)