定期巡回・随時対応型訪問介護看護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 (定期巡回)とは利用者の自宅への定期的な巡回や、通報の対応を24時間365日行うサービスです。介護職員だけでなく看護師も訪問を行っています。
訪問介護や訪問看護と比較して定期巡回は
・24時間対応
・定額制
・原則利用制限なし
・訪問介護と訪問看護が一体になっている
という点が違います。
定期巡回は定額制で利用制限がないので、訪問介護や訪問看護の利用頻度が増え、介護サービスの利用限度額を超えてしまっている方におすすめのサービスです。また定額制なので、他のサービスに比べて介護費用の試算が簡単なところもおすすめのポイントです。
主な4つのサービス内容
サービスの内容は主に次の4つです。利用者の様態によって組み合わせて利用します。
定期巡回サービス:定期的な訪問介護サービス
あらかじめ計画したとおりに1日の間に複数回利用者の自宅を定期的に訪問します。
<利用例>
7 時:起床介助・排泄介助
12時:食事介助・排泄介助
18時:食事介助・服薬介助
21時:就寝介助・排泄介助
このように1日に3~6回ほど、ご利用者の状態に合わせて定期的に自宅に訪れ、介護サービスを提供します。身体的な介護でなくても安否確認や健康チェックで来てもらうこともできます。
随時対応サービス:24時間連絡受付業務
いわゆる病院でいうところのナースコールです。利用者やそのご家族からの相談を24時間受け付けており、専門知識を持ったオペレーターが対応します。相談の内容によってはオペレーターの判断で介護職員を緊急訪問させることもできます。サービスに使用する通報装置は無償で貸与され、設置工事は不要です。
<利用例>
1日2回程度コール
随時訪問サービス:緊急時や必要時における訪問介護サービス
随時対応サービスで受けた相談からオペレーターが緊急訪問の必要があると判断した場合に、介護職員や看護師が自宅に訪問します。夜間でも対応してくれます。
<利用例>
月1回程度の臨時訪問 ※予定されていたものとは異なる訪問
訪問看護サービス:定期的な訪問看護サービス
必要な場合、医師の指示に基づき、定期的に看護師が自宅に訪問。緊急性が高く看護師の訪問が必要な場合も自宅に訪問してくれます。
<利用例>
週1回の訪問
一体型と連携型
ひとつの事業所に定期巡回と訪問看護が一緒に入っているところを「一体型」といい、定期巡回の事業所と訪問看護の事業所が連携しているところを「連携型」といいます。
このようなサービスを受けられるので、自宅にいながら施設と同様の充実感があるといえるでしょう。
利用条件
定期巡回の利用は以下の条件に当てはまっている必要があります。
・介護度が要介護1~5
・事業所と同じ地域の住民票
・他の訪問介護、訪問看護(定期巡回連携ではない)、夜間対応との併用NG
注意しなければいけないのが、介護度が要支援1~2の方は利用できないということです。
比較的介護度が重くなり始めた方向けのサービスなのです。
メリットとデメリット
定期巡回のメリットとデメリットを整理しましたので参考にしてください。
メリット
①24時間対応の安心感
定期的な巡回に加えて緊急コール受付・緊急訪問を24時間対応してくれるので、緊急時の不安が解消され自宅においても施設同様の安心感を得ることができます。
②住み慣れた自宅で生活できる
自宅に介護と看護で訪問してくれるので、住み慣れた環境で生活を続けることできます。
③定額制なので利用限度額を気にしなくていい
介護度が重くなり利用頻度が上がっても定額制なので安心です。
デメリット
①似たような訪問サービスは利用不可
訪問介護、訪問看護(定期巡回連携ではない)など、似たような訪問型の介護サービスは原則併用できません。
②他の訪問サービスから乗り換え時の環境変化
既に訪問介護や訪問看護を利用している方が定期巡回にサービス変更となった場合、それに伴う訪問スタッフが変更になります。このような環境変化がご利用者にとってどんな影響があるか考慮しておきましょう。
③利用回数が少ないと結果的に高くなることも
利用回数が少ない場合は、訪問介護や訪問看護を組み合わせて使った方が費用を抑えられる場合もあります。定期巡回で得られる24時間対応や緊急対応による安心感を踏まえてご利用者にとってどのサービスが良いのか検討してから利用しましょう。
<例> 要介護2の場合
定期巡回の月額:約10,000円 ※一体型で訪問看護なし
訪問介護1回の単価:250~300円程度 ※20分以上30分未満
この場合、訪問介護を毎日1回以上使うようであれば、定期巡回を使った方が安く済みます。
※料金はあくまで概算です。詳しくはご利用の事業所が定める料金をご確認ください。
このようなメリット・デメリットがあるため定期巡回は
1.24時間の対応が必要な方
2.緊急時の不安を抱えている方
3.訪問介護等の利用が多く介護保険の支給限度を超えている方
におすすめなサービスです。