看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
「看護小規模多機能型居宅介護」とは2015年春、介護保険制度変更に伴い、複合型サービスから名称が変更になっています。
看護小規模多機能型居宅介護は、一般にデイサービスと呼ばれる通所介護を中心に利用しながら、必要に応じてショートステイや訪問介護、訪問看護を受けることができる、一種のセットメニューのようなものです。小規模多機能型居宅介護に、訪問看護を加えたもので、4種類の介護サービスを顔なじみのスタッフから受けることができるため、人見知りしがちな方でも安心して利用できます。
看護小規模多機能型居宅介護には利用定員が定められていて、1つの事業所あたり25人以下の登録制となっています。1日に利用できる通所サービスの定員は15人以下、泊まりは9人以下となっています。当然ながら、定員を超えている場合は、サービスを利用することはできません。
また、看護小規模多機能型居宅介護は介護保険サービスのなかでは「地域密着型サービス」と呼ばれる種類のもので、施設の所在地と異なる市区町村に住んでいる場合は利用できないことがあります。市区町村によっては、地域密着型サービス自体を実施していなかったり、看護小規模多機能型居宅介護を実施していないこともあるので、まずは地域包括支援センターや市区町村の介護保険課などで情報を集めましょう。
看護小規模多機能型居宅介護のメリット・デメリット
メリット
看護小規模多機能型居宅介護には、さまざまなメリットがあります。通所介護(デイサービス)、ショートステイ、訪問介護、訪問看護を頻繁に利用したい人は、このサービスを使うことを検討してはいかがでしょうか。
看護小規模多機能型居宅介護のメリットは、主に次の通りです。
1.毎回、ケアプランを作り直さなくても、必要に応じてデイサービス、ショートステイ、訪問介護、訪問看護の4つを臨機応変に選べる
2.1カ月あたりの利用料が定額なので、毎月の介護費用が膨らみすぎない
3.契約する事業者が一つなので、連絡などの手間が少ない
4.顔なじみのスタッフや利用者との交流がはかりやすい
デメリット
多くの長所を持つ看護小規模多機能型居宅介護ですが、デメリットもあります。
まず、看護小規模多機能型居宅介護を利用する場合、次の介護保険サービスを利用できなくなります。
1.居宅介護支援(ケアマネジャー)
2.訪問介護訪
3.問入浴介護
4.訪問看護
5.通所介護(デイサービス)
6.通所リハビリテーション(デイケア)
7.ショートステイ(短期入所生活介護/短期入所療養介護)
ケアプランの作成については、看護小規模多機能型居宅介護を行っている事業者に所属しているケアマネジャーが行うことになります。これまで別のケアマネジャーに依頼していた場合はそこで関係が切れてしまうので、長期間にわたって他のサービスを利用していた人ほど悩ましいところです。
8.サービスの一部に不満があっても、そこだけ別の事業者に依頼することはできない
9.カ月あたりの利用料が定額なので、サービスをあまり利用しない場合は割高感がある
10.看護小規模多機能型居宅介護だけで介護保険の支給限度額の大半を使ってしまうことになり、他の介護保険サービスを利用する際に自費扱いになりやすい
11.少人数での集団活動となるので、スタッフや他の利用者との折り合いが悪くなった場合は逃げ場がない