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介護事業【実地指導】監査対策【助成金申請】

実地指導と監査対策

実地指導と監査の違いや運営指導・報酬請求指導、実地指導当日のスケジュールについて詳しくご紹介します。

介護業を運営する上で介護保険法制度の運営基準に沿って法令を遵守することが求められているため、実地指導の流れや注意するポイントを理解していきましょう。

実地指導とは

実地指導とは、行政の実地指導監督が介護事業所を直接訪問し、用意された書類やヒアリングによって介護保険法に則った運営ができるようにアドバイスが行われます。

通常、実施指導が入る場合は、実施前の1月前までにはその通知が事業所に届きます。

実地指導で人員配置など不正を行っている可能性が高い場合は、後日監査を実施されることになります。

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監査とは

監査とは、人員基準や設備基準及び運営基準等の指定基準違反であると認められる場合、又はその疑いがあると認められる場合に保険給付の適正化、事業所体制の適正な整備・運用行われるように適切な措置が行います。

その結果として、報告等、改善勧告、改善命令、指定の効力、指定の取消しなどの行政処分が行われます。

実地指導と監査の違いとは

介護保険事業所で実施される「実地指導」と「監査」は同じものではありません

実地指導は「事前通知」がありますが、監査は「事前通知」はありません。
実地指導と監査の大きな違いは、監査は問題があった場合に行われるということです。
監査の対象となる問題には、以下のようなものがあります。

・ 実地指導での情報
・ 通報、苦情、相談などに基づく情報
・ 国保連、地域包括支援センターなどへ寄せられる苦情
・ 国保連、保険者からの通報情報
・ 介護サービス情報の公表の拒否などの情報

実地指導の種類

実地指導には、一般実地指導随時実地指導があります。

〇 一般実地指導・・・計画的に行われ、予め文書で通知が届きます。
一般実地指導のチェック項目は、次の候でご説明します。

〇 随時実地指導・・・緊急で行われる場合は、当日通知により、実地指導を行うことができる。

随時実地指導の内容

・ 苦情が多い等、特に実地指導が必要と認める場合
・ 情報提供を受けて、特に実地指導が必要と認める場合
・ 実地指導を受けたが改善が不十分で、再度の実地指導が必要と認める場合
・ 実施指導が必要と認める場合

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介護事業全般における実地指導の項目

次に一般実地指導におけるチェック項目についてです。

一般実地指導は、1.事業運営の適正化 2.利用者に対する保護とサービスの質の確保 3.従業員に対する労働環境の確保 の3項目について確認されます。

実地指導の項目
1.事業運営の適正化

(1) 人員配置基準と資格基準を満たした勤務体制の確保をしていますか?
(2) 有資格者により提供すべきサービスが、無資格者により提供されていませんか?
(3) 加算減算の基準に沿って算定要件を満たしていますか?
(4) 給付金等の請求に不正又は著しい不当がありませんか?
(5) 管理者が従業者の管理、業務の実施状況の把握の管理を一元的に行っていますか?
(6) 管理者は従業者に指定基準を遵守させていますか?
(7) 運営規程等の利用者のサービス選択に資する情報を提供していますか?  など

実地指導の項目
2.利用者に対する保護とサービスの質の確保

(1) 個別支援計画等が個々の状況に則して作成・記録されていますか?また、モニタリングが行われ、適切な支援が行われていますか?
(2) 利用者に対して虐待行為や身体拘束などを行っていますか?
(3) 利用者の人権擁護・虐待防止研修を実施する等を行っていますか?
(4) 苦情、事故、感染症及び食中毒等が発生した場合のマニュアルを設置していますか?
(5)  サービス提供を開始する際、重説の内容及び手続の適切な説明、同意が適切に行われていますか? など

実地指導の項目
3.従業員に対する労働環境の確保

(1) 労働関係法令等に基づく適正な労働環境の確保をしていますか?
(2) 定期健康診断を受診させていますか?など

実地指導は書類での確認を行いますので、前提条件として、まず帳票類(書類)が揃っているかということになります。
ですから、事業所としては書類が事業所に揃っているかを確認する作業から入ることになります。

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監査の実施方法

「監査」は、入手した各種情報が人員、設備及び運営基準等の指定基準違反であると認められる場合、又はその疑いがあると認められる場合に行われます。

その結果として1.報告等、2.改善勧告、3.改善命令、4.指定の効力の停止、5.指定の取消しなどの行政処分が行われます。

各種情報とは

・ 通報・苦情・相談等に基づく情報
・ 国民健康保険団体連合会(以下「国保連」)、地域包括支援センター等に寄せられる苦情
・ 国保連・保険者からの通報情報
・ 介護給付費適正化システムの分析から特異傾向を示す事業者
・ 介護サービス情報の公表制度に係る報告の拒否等に関する情報

などを言います。

監査後の処分
1.報告等

報告等は、介護保険法律上で保険者の「立ち入り」権眼の規定が設けられましたので、超過定員の場合など違法の実態を確実に把握する必要があると認められる時は、立入検査が行われます。

実地検査等の結果として指定基準違反に至らない場合で介護事業者に一定程度の改善の必要がある場合には、介護サービス事業者等に対し文書による改善を求め、介護サービス事業者等から文書による改善報告を求めます。

監査後の処分
2.改善勧告

改善勧告は、実地検査等の結果として指定基準違反の事実があり、介護サービス事業者等による改善の可能性を総合的に判断した上で、改善勧告の対象となった指定基準違反に係る項目を明示し適切、妥当な期限を設けて行うことです。

監査後の処分
3.改善命令

改善命令は、改善勧告によっても指定基準違反の是正がなされない場合に、改善命令を行うこととなります。
改善勧告による改善措置の状況に応じて、適宜判断の上、改善の可能性を考慮し、期眼を設けて行うものです。

監査後の処分
4.指定の効力の全部又一部停止

指定の効力の停止として標準的に考えられるものとして、全サービス共通では新規利用者入所者へのサービス提供に対する指定の効力の停止、通所・訪間サービス系対象では代替サービスを確保した上での一定期開に限った指定の効力の停止(全部停止) 、居宅介護支援で不適切なケアプランを作成しているケアマネジャーのみに対する指定の効力の停止などがあります。

監査後の処分
5.指定の取消し

指定の取消しは、基本的には改善命令や指定の効力の停止の措置を取っても是正されない場合であって、介護保険給付上、引き続き指定を行うことが制度上看過できない場合に行われますが、指定の申請時点からの基準違反の場合については、改善勧告、改善命令指定の効力の停止等を経ることなく、指定の取消し処分を行うことも考えられます。

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2019年変更の介護施設への実地指導

2019年5月、厚生労働省は「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」で新たな実地指導の方針を開示。各自治体に対し、今後は「標準確認項目」と「標準確認文書」に重きを置いて実地指導を行うよう通知しました。

実地指導の方針が見直された背景

従来の実地指導は「介護保険施設等の指導監督について」(以下、指導監督通知)に基づいて全国の自治体が実施してきました。

しかし、「自治体によって指導内容や確認する項目・文書が異なる」「実地指導の実施が低調な自治体がある」といったことが課題となっていました。

厚生労働省は各自治体に対して「指定の有効期間内に最低でも1回以上は実地指導を行うよう」に求めていますが、介護施設が年々増加し対応が難しくなっているという背景もあり、指導の標準化・効率化を図るべく指針の見直しに至ったようです。

厚労省は現在、新たな指針と指導監督通知を踏まえた実地指導を行うよう、各自治体に求めています。

新たに示された実地指導の指針

上述のように、今回の指針見直しのねらいは、より多くの介護施設に実地指導を行うために、指導の標準化・効率化を図ることです。
具体的にどのような指針が示されたのか、施設管理者様が特に押さえるべきポイントを抜粋してご紹介します。

1. 「標準確認項目」と「標準確認文書」の設定

今後は「標準確認項目」と、それを確認するための「標準確認文書」に基づいて実地指導が行われることになりました。

介護サービスの質の確保とご利用者様を保護する観点で重要とされる項目・文書が確認対象となり、「不正が見込まれる」などの事情がなければ、原則としてその他の文書は確認されません。

なお、指導対象としては下記7サービスが示されています。

・ 訪問介護
・ 通所介護
・ 介護老人福祉施設
・ 居宅介護支援事業所
・ 認知症対応型共同生活介護
・ 介護老人保健施設
・ 訪問看護
※ その他のサービスについては、上記を参考に各自治体が検討するとされている。

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2:実施時間の短縮

標準確認項目と標準確認文書を定めることで、一施設にかかる実地指導の時間を「できる限り短縮する」ねらいがあります。従来は1日がかりで実施していた指導を半日程度に短縮することで効率化を図り、多くの施設に実地指導を行うことができるからです。

3:集団指導の可能性も

実地指導の頻度についてはこれまでと同じく「指定期間内(6年間)に最低でも1回以上」が基本とされていますが、実現が難しい場合は集団指導にすることも認められました。集団指導の対象となるのは、「過去の実地指導等で事業運営に特に問題がないと認められる」施設とされています。

4:運用の標準化

実地指導が実施される際は、原則1カ月前までに通知があり、当日の「概ねの流れ」が示されることになりました。

また、ケアの質を確認するための記録のチェックは、原則として3名以内となります。ただし居宅介護支援事業所については、介護支援専門員1人あたり1~2名のご利用者様の記録を確認するとしています。

5:確認対象文書の限定

実地指導で自治体が確認するのは、原則として実地指導の前年度から直近の実績に係る書類とされました。

また、実地指導当日に提出する資料の部数は1部とし、すでに自治体に提出している文書については「再提出を求めず、自治体内での共有を図る」とされています。

6:管理者以外の同席も可能に

従来は施設管理者様が実地指導に立ち会うのが基本でしたが、実情に詳しいスタッフ様や、労務や会計などの担当者様が同席することも問題ないとされました。

その他

以上でご紹介したほかにも、「同一所在地や近隣の実地指導は同日または連続した日程で行う」「老人福祉法等介護保険法に関連する法律に基づく指導・監査などとの合同実施を一層推進する」といった指針が示されています。

また、「自治体担当者の主観による指導や前回の指導内容と大きく異なる指導を行わないこと」「指導内容について根拠規定やその趣旨・目的などを懇切丁寧に説明すること」などが自治体への留意事項として示されました。

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